テイスティ クリエーションズはフランスにあるウイスキーの輸入卸売業者のジャン・ボワイエによって作られたブレンデッド・モルトウイスキーのシリーズです。

シングルモルト以上に深みのある味わいを求めて開発されたブレンドは、味の特徴と相性を精選して構成されています。
ラベルには「ピート」や「シェリー」など2つの単語と「14」や「20」などの番号が記されており、厳選された2～3種のシングルモルトのブレンドの組み合わせと割り当て番号を表しています。

ジャン・ボワイエ社は元々はスコットランドの大手蒸溜所からウイスキーを輸入していましたが、自らが厳選したブレンドを自身のブランドとして売り出すようになり、ブレンデッド・モルトのスペシャリストとなりました。

ジャン・ボワイエは元々フランス・ランド県にあるアニス酒(スペインやフランスなどで飲まれているお酒)の瓶詰業者でした。
1975年にフランスで初めてシングルモルト・ウイスキーを輸入し、スコッチウイスキーの卸売販売・ボトリングとパスティス（フランスのリキュール）の製造を始めてフランスを有数の独立系瓶詰業者となりました。

1994年にジャンマリー・コバックス氏が先導してジャン・ポワイエ社を設立しました。
ラム酒やオー・ド・ヴィー（フルーツブランデー）などを含め60種類もの商品を取扱い、ニッチな商品を高品質・低価格でワイン業者に販売しています。

2015年に有名なワイン学者ドミニク・リベロー・ガイヨン氏によって経営を引き継がれました。彼は本格的な製品を追及するために、ワインと蒸留酒の長年の製造経験と確かな知識を活かして、一風変わった新たな製品の開発をしています。

特にウイスキーでは、楽しみ方を高級品のものと差別化するために、テイスティ クリエーションズなどのブランドを立ち上げて種類の幅を仕組化して多様性を持たせています。

ジャン・ボワイエの特別なサービス

ジャン・ボワイエでは販売業者や素人向けに自分で好きなウイスキーを選んでボトリングできる「プイ・ジャン・ボワイエ」という独自のサービスを提供しています。

プイ・ジャン・ボワイエでは木製の棚に３つのガラスのウイスキー樽が設置されており、顧客はカタログから好きなウイスキーを選んで好きなボトルに瓶詰し、ラベルをつけて持ち帰ることができます。

業者は市販よりも安く作ることができ、素人は自分用や贈り物用に自分好みのウイスキーを
作ることができる画期的なサービスです。

しかし、ジャン・ボワイエは2020年の3月にパンデミックの影響で完全に操業停止となり、4月の売上が7割減となりました。しかし5月以降に操業を開始し、6月には6.5割の黒字となり売上が激増しました。その背景には父の日が影響していたとのことで、もしかしたらジャン・ボワイエ独自のサービスが一役買ったのかもしれません。