グレンゴインはおよそ200年の歴史があるスコットランドのグレンゴイン蒸溜所で作られているシングルモルトウイスキー。
通常のモルトウイスキーよりも時間をかけてゆっくり蒸溜する製法により、明るい色味に大麦の風味を生かした甘くフルーティな味わいが特徴です。

蒸溜所はグラスゴー北部にあるデュムゴインの丘の峡谷に建っています。
19世紀はじめに厳しい酒税を避けるため、創業者のジョージ・コーネル氏が隠れてウイスキーを密造するために作られたのが始まりです。

グレンゴインはハイランドウイスキーですが、蒸溜所がハイランド地方とローランド地方の境界線上にまたがっているため、ハイランドで蒸溜してローランドで熟成されているユニークなお酒です。

本物のモルトウイスキーの味

グレンゴインは「ピートの煙で汚染されていない本物のモルトウイスキーの味」というスローガンを掲げています。
本物の麦の味にこだわり、生産量が少なく高品質なゴールデン・プロミス種の大麦が使われています。

ハイランドではモルトに燃やしたピートを使いますが、グレンゴイン蒸溜所ではピートは使わず空気だけでモルトを乾燥させています。
そのため一般的なハイランドウイスキーとは異なり、ピート不使用によって樽と麦本来の風味が活きているのが特徴です。

熟成樽へのこだわり

グレンゴインのアンバサダーは「長い熟成で最高のウイスキーが作れるわけではなく、最高の蒸溜酒と樽が重要だ」と言っており、蒸留酒だけでなく熟成樽へのこだわりがあります。

樽はヨーロッパとアメリカ産のオークで6年かけて作られており、厳選されたものを使用しています。ウイスキーの色は一切着色されておらず、こだわりの樽で熟成された賜物です。

グレンゴイン蒸溜所は「スコットランドで最も美しい蒸溜所」と言われており、多くの観光客が訪れる人気のスポットです。
３つの蒸溜釜（１つは初溜釜、２つが再溜釜）があり、年間100万リットル近くを製造しています。

蒸溜所にはグレンゴイン川から丘の峡谷に流れる滝があり、その純粋な水を活用してウイスキーがつくられています。

グレンゴインの蒸溜釜は一般的なスコッチウイスキーよりも長い時間をかけて蒸溜するのが特徴で、通常の約3倍の時間をかけると言われています。
時間をかけてゆっくり蒸溜することで甘くフルーティな香りを引き出し、クリアで明るい色味になります。

グレンゴイン蒸溜所の名称の秘密

グレンゴイン蒸溜所の設立当初は「バーンフット蒸溜所」として知られていました。
1876年にラングス・ブラザーズ社が買収した際に、本来は「グレンゴイン蒸溜所」と名付ける予定でしたが、書記が誤って「グレングイン」と表記したため「グレングイン蒸溜所」になりました。後に「グレンゴイン」と変更しています。

ちなみに「グレンゴイン（グレングイン）」はゲール語で「雁の峡谷」という意味があり、冬になると蒸溜所の峡谷に渡ってくる雁が由来しています。グレンゴインのロゴマークにも雁のシルエットが描かれています。